3275873 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ロックの部屋

ロックの部屋

YES

YES『90125』(ロンリー・ハート)



【イエス】と言えば耳にたこが出来るぐらい聴きまくった1972年作の『CLOSE TO THE EDGE』(危機)、その反動が出たのか、それ以降はさっぱり聴かなくなっていました。未だに♪GET UP GET DOWNゲラアップ、ゲットダアアーン チヤラララララー(リック・ウェイクマンのシンセの音)♪のメロディーが耳にこびり付いていて困っているのです。ホント罪なアルバムです。(笑)

このアルバムの完成度、高揚感、演奏力のもの凄さには鳥肌が立ちっぱなしでした。リック・ウェイクマンの虹色のシンセサイザーにジョン・アンダーソンの楽器と化したヴォーカル、きめ細かい構成力と大胆なアレンジに唇が震え脊髄がビリビリ震え乳首がピリピリ振動しましたです。

個人的にはこのアルバムがプログレのアルバムの頂点だと思っています。なので、それ以降はこれを超える物はあり得るわけがないという思いで、その後のイエスのアルバムが聴く気になれなかった(聴く必要がない)のだと思う。あまりにテクニカルで完成度が高過ぎてイエスの音楽に冷たいものを感じてしまったのも事実でした。

そして、時は流れMTV時代に突入した80年代のロックでビデオクリップで流れた「ロンリー・ハート」、これにはブッたまげました。髪の毛が逆立ちました。これがあのイエスの曲なのか、でもヴォーカルは間違いなくジョン・アンダーソンでした。組曲だった『CLOSE TO THE EDGE』とは違い、短い時間の中に凝縮されたカッコイイロックナンバーでした。

「OWNER OF A LONELY HEART」(ロンリー・ハート)はとてもタイトでテクニカルなロックナンバー、トレヴァー・ラヴィンのギターが曲を引っ張っているのが特徴、これがスティーヴ・ハウだったらこうすっきりリズムに乗り切れないのではないだろうか。ギターの音像が後ろに引っ込んだり、前に飛び出してきたりする、見事な構成。ハーモニーが陽炎のように遙か彼方に漂うのもゾクゾク感に寄与しています。

「HOLD ON」「CHANGES」のベースラインとドラムスの力強さは、パワーポップの系譜です。

「IT CAN HAPPEN」これもリズムが重厚なナンバーです。

正直「OWNER OF A LONELY HEART」以外の曲は、飛び抜けて良いとは思えないのですが、全体をパワーポップ系の乗りが支配していることもあり通した印象は聴きやすくて悪くないです。これはプロデューサーのトレヴァー・ホーンの手腕とトレヴァー・ラヴィンとの相性の良さによるものかもしれない。

でも『CLOSE TO THE EDGE』の緊張感、緊迫感がないため、これをイエスとは認めがたいファンはきっといるのに違いないなぁ。

「ロンリー・ハート」だけでも満足感は得られますけど……



© Rakuten Group, Inc.